拝啓 東京電力株式会社様
毎日貴社の送電線から送られてくる火力、水力発電による電気を利用している一般市民です。
大震災から100日が経ち、私たちは本当に電気の有り難さと同時に、あまりの無関心さを思い知らされた一人です。
日本には54基の原子力発電所があり、福島第1・第2の発電所もその中の1つで、3月10日までは何の心配も不安も、電気に対してこれからどのように利用し、供給源をどこから調達しようか!なんて考えもしなかった無知な国民の一人です。
世界中に原子力発電所がある事は知っていました。この電力は二酸化炭素の排出抑制に大きな力を担っている事も知っていました。
でも日本ではいつ、この事の議論が尽くされ、いつから各地に建設が始まり、どのような発電計画と維持管理についての仕様書が保持されているのかなど、ほとんど気にもとめませんでした。
そんな私たち国民にも一粒の責任があるのかもしれませんが、とにかく何とかしてください。
「想定外」 と言う言葉は、もう使ってはいけないのでは無かったですか!
巨大地震に見舞われ、想定しなかった高さの津波に襲われてしまった事は、もういまから対策に不備があったと言っても、しょうの無い事です。
誰もが分かっています。理解しようとしています。
100日が経過し、社員の方々は寝る時間も無しに、必死で収束へ向け作業されている事も知っています。若い社員ばかりに負担はかけられない、とOBの方々も立ち上がり、有志の方が現場へ出て行かれてる事もニュースで知りました。
でも、でも、でもです。
せっかくアメリカやフランスの技術や設備を駆使して、処理が始まった施設の数値が、また想定外だった!
なんて、いい加減にして下さい。
5時間でセシウム処理機能がオーバーヒートを起こす。あまりの残留汚泥の多さと、その濃度を想定していなかった。って有りですか!
期待していたのです。今回稼働した処理施設が順調に機能すれば、人々の不安も少し解消され、無能な政府の展開にも落ち着きを持って見ていられると思っていましたのに。
「また想定していなかった」 とあっさりと会見で発言していました。
あのメルトダウンを思い起こさなかったのでしょうか!
地震発生から直後には炉心では大変な事になっていた事実が分かったのに、施設の処理がもしかしたらすぐに稼働しなくなる、それも強烈な放射能によって停止するかも、ぐらいの事を考える人は誰もいなかったのでしょうか!
私は密かに不安を覚えています。
福島から遠く離れているといっても、小さな子どもたちの命を日中毎日預かっているのです。
皆さんには「落ち着いて、冷静に!」と言ってはみても、等の本人に何の確信も無いのです。
横浜市では教育委員会が毎日の学校給食に出される食材の放射能測定を始めました。
多くの保護者から心配・不安の声が寄せられたからです。
少しでもその不安を払拭出来るのであれば、と決断したのでしょう。
「冷静に、落ち着いて、各省庁から発信される情報やデータを注視して、必要なそして出来る事をやって行きましょう。」と言ってはみても、やはり不安なんです。
あなた様があらゆる想定をして事に当たっていただかなければ、東京電力の電気需要者もあなた方を支えようがありません。
しっかりしてください。
多くの方々の知恵と技術を借りて、もちろん海外の専門業者、研究者も含めて、何とか処理施設が機能し、順調な運転が再開できるように、全神経を集中させ、精力を傾けて下さい。
「間に合わなかったら汚染水が溢れだす!」 なんて無責任な報道がおおっぴらに流れています。
溢れだしたらどうなるんですか?私たちはどうすればいいのですか?何に協力して、どんな手段を取れば収束出来るのですか?
この夏はどこかの会社のコマーシャルではありませんが、出来るだけうちわと氷と打ち水で涼を取りますよ。
なんとか、なんとかこの第2の危機を脱してください。
世界中が注目している放射能問題です。
どうぞ放射能の利用討議が正当に進められる為にも、この処理施設の正常な稼働に会社の命運を掛けて下さい。
悲鳴と同時に応援しています。
かしこ