< ああお泊り会② >
夕飯頃からシクシクと涙をふく子が現れた。
思わず抱きしめて、「うんうん、その気持ち、わかるよ。お家が恋しいよね・・・」
ホームシックも1つの心。こんな経験もこれからの糧になる。
お母さん、お父さんへの思いは深くなる。
このなんとも形容しがたい気持ちと闘いながら、彼女はフォークダンスを踊り、花火の歌を熱唱し、何とか気持ちを紛らわしているようだ。
時々私にすり寄って来る。
うんうん、わかるよその気持ち。でも頑張ってるね、偉いよ。
そして花火が始まった。小雨の中子どもたちは2階のテラスから花火師(ながつた5人組)さんたちの勇ましい姿を見ながら、赤や黄色や青い光を堪能した。
最後は上空30メートルまで上がる特大花火。
なんと花火屋さんがおまけで付けてくれた特別な1本!
ドーンと上がり上空を彩った。「ワーーーーー」
花火を見終えた彼女の顔が笑っていた。
聞けば気分がよくなったとか!
うんうん、わかるよその気持ち。花火を見て気持ちが切り替わったんだね。
「もう大丈夫」とひと言言ってシャワー室へ消えていった。
新企画の夜散歩は出来なかったが、ホールでのキャンプファイヤーや雨の中の花火もまた、楽しい思い出だ。