この時期はカマキリたちが地上近くへ降りてくる時期。
したがって目にする機会が急に増える分けです。
案の定幼稚園ではあちこちで、
「先生、カマキリカマキリーーーー!」
と叫びまわる子どもたち。
体も目いっぱい大きくなっていますから、子どもたちは彼らに怯んでいるようです。
それもそのはず、何のためにわざわざ地上へ降りて来たかというと、
卵を産みつける為です。
ですから目にする個体はみんなメス。
お腹がパンパンで大きくなっています。
今日は朝からあの子も、この子もカマキリがいる事を教えに来てくれます。
「わかった、わかった。カマキリね!」
男子も女子も覗きこむ。
「おい、ここだよ。触って見て!」
「ダメダメ!これから卵、産むんだから。そっとしておくんだよ。」
「あーあー、出ちゃうよ。」
「やめろ、押すな!」
「何がいるの?見せて・・・・・」
虫ランドは大騒ぎ。なんとこのエリアに4匹のカマキリが持ってこられました。
そもそもどうして子どもたちの目につく所にカマキリがいるかと言うと、
この時期に産卵をするカマキリたちは卵から孵ると少しずつ木の上を目指して移動します。
その間2~3回脱皮をし、相手を見つけて交尾をして、さて産卵ですが、
そのまま木の上に卵を産みつけると、鳥たちに食べられてしまうリスクが高くなるのでしょう。
殻をつついて鳥たちは、気用にカマキリの卵を食べます。
特にカラ類は大好物。食堂が木の上だと格好のダイニングテーブルになるのです。
よって地上近くへ降りて来て、木の幹や枝、草の茎に産みつけます。
子どもの目線に近くなるので、あちこちで見つかる訳です。
子どもに見つかる事も実は致命的。
そのまま見過ごすはずがありません。
昨年もこの虫ランドでオオカマキリの卵が孵りましたが、
来年も見られるように、捕まえるのは「卵を産んでから!」と、約束しました。
それがこのカマキリ談議になっているわけです。
そしてお楽しみはもう一つ。
このカマキリのお腹に潜む怪しいギョウチュウが、
「ハリガネムシ」
そりょあそりゃ、これまた大騒ぎの元で、尚且つ秋の名物でもあります。
産卵を終えると命を落とすカマキリに、いつまでも宿っているわけにいきません。
そこで彼らは産卵の前にカマキリのお尻から、もしくはお腹の一部を破って脱出を計ります。
くねくねと体をくねらせ、水辺を探します。
実は水中で繁殖するのです。
と言う訳で、昨日の静けさは夢だったかのような、カマキリ騒動でした。