< そろそろ帰ります。 >
私は 「ツグミ」 といいます。ツグミ科の大形ツグミ類です。
ロシアの北東部で生まれ育ち、日本に越冬にやってきます。
毎年群れをなして押しかけ、それぞれのお気に入りの場所へ散って行きます。
鳥屋さん(鳥を追いかけ、見つめている人たちの総称)たちは、私たちが毎年やって来るのを楽しみにしてくれています。
もちろんまた会えるからで、決して食べるためではありません。(以前は多くの仲間がカスミ網で捕獲され、焼き鳥になって食べられていました。銀座のガード下で!)
現在は鳥獣保護法によって、すべての野鳥捕獲は禁じられています。
そんなこんなで繰り返されてきたこの生態の為、そろそろ故郷へ帰ります。
本日早朝、越冬中はあまり枝先には姿を現わさない鳥ですが、帰る道を確認していたのか、樫の木の枝先に出て遠くを見つめ、
「クワツクワッ」 と特徴のある2音連続発生で鳴き、存在をアピールしていました。
「さようなら!!」 と言っていたのかもしれません。
デジカメしか手元に無く、距離があったのでこんな写真ですが、また来年の北風が吹くころまで会えないので、見てあげて下さい。
無事に帰ってね。
また冬に会いましょう。
夏に会える鳥を「夏鳥」、冬に会える鳥を「冬鳥」と呼んで区別しています。
要は渡り鳥です。海を挟んで行き来しています。故郷(繁殖地)も現住所(越冬地)もその両方が変わらずに自然環境を維持していなければ、渡り鳥たちは生きて行けません。
ツグミが去って、ツバメがやって来る。いつまでも命が繋がるように、そして繋げられるように維持していかねばなりません。