15:《暑中お見舞い、申し上げます。》

 7月も終わりですね。皆様は蒸し暑い今日この頃を、いかがお過ごしですが?まずは、暑中お見舞い申し上げます。これからきっと、スカッと晴れた夏の空が現れると思いますが、このじめじめした毎日をどうぞ健やかにお送り下さい。子ども達は元気でいますか?幼稚園では様々な点検工事や修繕工事で人の出入りが途絶えることがありません。お休みといってもどうも落ち着かないので今回は少し趣向を変えて、暑い夏を乗り切りたいと思います。その為に、ちょっと想像してみましょう。さあ目を閉じて、思い描いてみて下さい。ほんの1分だけでも、ほら涼しく成って来たでしょう?って、時々空想(妄想)に更ける私です。

カラッと晴れたここは砂の浜辺。打ち寄せる波はホワイトブルーのさざ波で、見上げる空は澄み切ったスカイブルー。水平線にはモコモコの白い雲。そこへ飛んできたツバメのようなシャープな羽に真っ白な細い体、そしてくちばしが真っ赤で同じく真っ赤な火の鳥みたいな長い尾を持つ鳥(アカオネッタイチョウ)が飛んでくる。南の洋上で繁殖し、実に夏の光景にマッチする鳥が波の揺れと同じように羽ばたきと飛翔を繰り返す。う~~~ん、ここは南の島だね!

『カッコウ、カッコウ』抜けるような声を聞きながら木漏れ日の中を歩く。ここは標高1,000メートル程の森林だ。こちらの空も青。でも南の海の青とはまた少し違う。日本には色の表現がたくさんあり、高原の青はさしずめ藍色を薄めたような山の緑を混ぜた青。多様な木々の醸し出すコンストラストが目と肌にやさしく、思い切り深呼吸をする。体の中の酸素を総入れ替えした気分になり、血液がサラサラと小川のように流れる。フィトンチット効果を思い切り体感し、他にも聞こえる様々なあ鳥の鳴き声を楽しむ。特に伸びた枝の先には真っ青な頭と羽、真っ白なお腹に黒い顔を持ち、日本の3鳴鳥として知られる鳥(オオルリ)がおもいきり囀る。う~~~ん、ここは夏の高原だね!

熱い日差しを遮る数寄屋作りの大きな屋根。開け放たれた開口部の隅には樹齢何年もの柱が陣取り、それらを支える頑丈な梁。天井や襖には名だたる日本画家の花鳥風月や鳥獣戯画をめでる事が出来る。何十畳もある畳の真ん中に静かに胡坐を組むと、自然と暑さなど吹き飛び心が平安で満ちて来る。抜けていく風を肌で感じると、遠い昔の歴史の重みも一緒に感じられる。庭に目をやると宇宙観を抱かせる石の造形。これらをじっと眺め『無』の境地を感じ取れれば汗も自然と引くというもの。そこへひょっこり顔を出すネクタイを締めた白と黒でおなじみの人懐っこい鳥(シジュウカラ)。彼もこの空間で少しは気持ちを落ち着けたいのか石塔の上で辺りを見渡す。う~~~ん、ここは京都のとあるお寺。香の香りが一層心を和ませてくれる。

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