< なぜ、子ども園 ! >
新聞やテレビ報道でご存知の方も多いかと思いますが、待機児童2万7,000人の解消のために、明治時代からの長い歴史がある幼児教育を、子育て支援の一環で片付けてしまっていいのだろうか。
保育所はあくまでも児童福祉施設としての位置付けで、教育現場としての考え方は薄い。一緒にして本当にいいですか、皆さん!
どうも何の政策にしても、その場しのぎの取り組みが多いような気がしてなりません。教育は100年の計。人の一生の問題であり、今まで培ってきた幼稚園の幼児教育がまるっと生活の中へ埋もれて行くのは、我慢がなりません。
大学の付属幼稚園などは現状の教育機関としての幼稚園の位置付けで残るようですが、他の幼稚園はこれから先10年を目途に 「こども園」 へ移行すると言います。
施設にしても、教員の補充や業務分担にしても、自由遊びの遊び方にしても、活動内容のバランスにしても、とにかく場面や場所や時間帯で、めちゃめちゃに問題点が多すぎる。
また実際に子どもを幼稚園に預けている保護者の方々の意思や希望なりは、まったく反映されていない。ただただ女性が仕事をする上での、子どもの居場所解消なのです。それでいいですか、皆さん!
預かる場所させ確保すればこの問題は何とか落ち着く、手っ取り早い方法だ。と言う認識なのか、単に厚生労働省や経済産業省の文部科学省との優勢勝ちなのか。以前も何回か、このページでこの問題については触れていますが、とにかく一色単にするのはやめて下さい。私たちは幼稚園教諭として教員免許状を受け、子どもたちの基礎・基盤(土台)となる幼児期の成長・発達を担っている自負があるのです。 もちろん保育園にも大きな命題があるでしょう。しかし人間の最初の社会性を身に着ける大切な時期を、今までの歴史を無視して、簡単に一つの施設に押し込める方法でいいのでしょうか。
とにかく不自然で、正統性が無く、何の教育的見地も感じられない今回の政策成り法案に、私は断固反対します。幼稚園を教育機関として日本の義務教育政策を一から見直し、そこへきちんと税金を使って、同じ幼児期を過ごす子どもたちに、等しく、きちんとした教育を受けさせる施設(幼小学校)の仕組み作りを、すぐにでも始めるべきです。補助金を出して今の幼稚園を手直しするのではなく、国が全責任を持って幼児期の教育を担えばいいのです。0歳から2歳の入所希望者の解消は、3歳から5歳児の幼小学校への移行に伴い空いた保育園が、収容可能な乳児を受け入れればいいのです。そこには保育士という専門家がいるわけですから、十分な保育の提供が出来るでしょう。
少子化に伴い定員割れしている幼稚園が、地域の全ての幼児を受け入れれば(今まで保育園に行っていた同学年の子どもたちが全て幼稚園に入れば)、十分に賄える施設や教員、幼児教育のカリキュラム(ノウハウ)を、こちらもすぐに提供できる機関なのです。
預かり保育が充実してきた幼稚園では、放課後の子どもたちを預かる方法も選択できるようになって来ました。都市部と地方では大きな格差があるのは事実ですが、多くの教育者が関わって、素晴らしい歴史と現状がある幼稚園教育を失くさないで欲しいのです。