< 穀雨 >
今日は二十四節気の一つの 「穀雨」。
春の雨が百穀に降り注ぎ、生育を促すというもの。
農家には田植えに向けての農作業を開始する目安の日としても重要だ。
しかし大津波で今年は2万3千haの田畑が被害に遭い、作付けできない農地は9千haにも上るという。
あの津波が見る見るうちに田畑を飲み込んでいくテレビの映像は、1ヶ月たった今でも私たちの目に焼き付いている。
放射能が土壌に降り注ぐ事もあり、塩害の被害とのダブルパンチで、震災前の日本の里山の風景に戻るには何年係るか分からない。
この大震災は本当に日本人の根源を根こそぎ傷つける結果となってしまった。
米は私たちの源である。広々と水をたたえた緑の田んぼや、金色に輝く稲穂のじゅうたんをまたいつ見ることが出来るのか。
農家の方々は命は助かっても、魂を抜かれてしまった面持ちであろう。
どこを見やっても心が痛い。
さて、丁度去年の今日(20日)、約7億8千万㍑(想像がつきませんが!)の原油が流失した、最悪の環境災害と指摘される、メキシコ湾の原油流失事故を覚えているでしょうか?
今回の放射能流失ももちろん長期的な対策が必要ですが、
流れ出た原油はいまでも海底にどっぷり溜まり、湿地帯では砂の中に入り込んでは生物を傷つけているという報告がある。
例年よりイルカの死骸が多く発見され、この湿地を利用する鳥たちは、ことごとく油の被害を受けているようだ。1年経った今でもである。
放射能に限らず多くの科学物質が環境を壊し、人々の生活を脅かしている昨今の世の中で、穀雨 という古来からの営みを大事にする渡したち日本人は、この未曽有の大災害を機に、人のくらし・環境・生き方を見直す時に立たされているのだろう。
お山は木々の芽吹き(黄緑)がまぶしく、思い切り春を告げている。
あと何年この風景を目に出来るのか。守らなければいけない。