< ヒグラシ >

今週は湿度は高いものの、日差しが無くて助かりますね。

でも引き続き熱中症には気を付けて過ごしましょう。

気温や湿度に関係してその正体を現わしてくれる生き物に、鳴く虫がいます。

夏の代表選手と言えば、「セミ」。

しかし皆さんは、きちんとその声を認識していますか?

この地域で一番最初に聞かれるのが、「ニイニイゼミ」です。

「ニーーーーーー」と単音で連続して鳴きますが、しょうがない事に先生たちはこの声を知らない、知らない。

「ほら、鳴いているね。」

「えっ、何ですか?」

「ほら、聞こえるでしょう。セミ。」

「えっ、どれですか?????」

「もーーーう。ほら聞こえるでしょう、ニーーーーって」

「ああ、これセミですか!」

「ニイニイゼミ。」

「へーーーー、初めて知りました。」

と、こんな調子。子どもの頃から必ず耳にしている音なのに、それが何の音であるか、意識した事も、教えてもらった事も無い!

となると、大人になっても多くの音が無意識化に納まってしまって、すぐ近くに生き物のサインがたくさんあるのに、知らない!という結果になります。

ジリジリジリジリ と鳴くセミや ミーンミンミンミン と鳴けばだれでも知っているでしょう。

もうひとつ、とても涼しげな、いい声の持ち主も知って下さい。

この声も毎年必ず耳にしているはずですが、きちんと認識していないのではないでしょうか。

ヒグラシです。通称、カナカナゼミ!

♪  カナカナゼミが遠くで鳴いた

  ひよこの母さん、裏木戸開けて

  みんなを呼んでる、ごはんだよ~~~~

  やっぱり同じだ、同じだな

このページでも以前ご紹介した、

「夕方のお母さん」 ではしっかりその時刻の象徴として歌詞に出てきます。

その通りで、夏の夕餉が始まる時間帯に鳴き出すのです。代表的な夏の声。

蒸し暑く、強かった日差しを一揆に忘れさせてくれる、生き物の声。

ほら、外では聞こえてきました。そろそろ時間です。日没前、30分。

カナカナカナカナカナ・・・・・・・・・・。

最初に偵察部隊が何匹かいて、ここはどうかな? とフェイントを掛けて、まだ本来の鳴き時間ではない早い時間に鳴いてみます。

それから小一時間。いい場所を探しつつ、その時を待ちます。

日差しの照度や気温、湿度などと関連しているので、夕立が来そうな空模様になると、急に鳴き出す事もありますが、それ以外日中はほとんど鳴きません。暗い森や林では日中も鳴いています。

一鳴きしては次の木に移り、相手を探します。

一斉に同じ時間帯に鳴く事で、繁殖相手を見つけやすくしてるのです。

この時間は日の出前の30分も同じように聞かれます。

夕方がダメなら早起きして耳に刻みこんでいただき、是非記憶に残し、子どもたちへ伝えて下さい。

幼稚園のお山でも、毎年必ず聞かれます。

身近な生き物のサインは自分が意識するか、誰かから伝え聞かないと、なかなか気付きません。 

そうしないと益々大人になっても自然の音をまったく知らない、先生が多くなってしまいます。

ヒグラシ カメムシ科です。

この声は8月上旬まで。ご存知のようにセミの命は1週間ほどです。

お聴き逃しなく!

次に聞かれるのは「オーシツクツクツク」です。

何となく夏の終わりを告げながら、9月上旬まで聞かれます。

ツクツクボウシ。

虫たちの活動にも順番があって、これがきちんと季節を現わす歳時記。

この順番が狂ったら、もう地球も危ない!って事です。