< 考える力 >
本日雨の中、年中組の皆様は進級説明会にお越しいただき
ありがとうございました。
無事に新年度のお話が出来、新クラスをお伝えしました。
いよいよ新学年の準備ですね。
さて今日は午後からなわとび発表会を行いました。
目標を決めて練習してきた活動に、一つの評価を示す時です。
評価、というよりみんなの頑張りにエールを送った日です。
ささやかながら鉛筆の賞品と賞状を渡しました。
今日もお母様方にお話ししましたが、
幼稚園では最高学年の年長さんの輝かしい姿を追って、
下の学年のお友達は憧れ、目標ともします。
また来年もなわとびに、そして体力作りに励んで欲しいという意味も持っています。
実はこんなエピソードがありました。
私たちも大変励まされ、導いた道は間違いではない事を教えてくれました。
幼児教育に対しての大きな指針となりました。
ある年長組の男の子。
なわとびに目覚め毎日練習に励みます。
ある時どうしてもクリアできない壁(跳び方)にぶつかりました。
さてどうしたら跳べるようになるか?
彼は毎日考えるうちに、自分でするべき事を紙に書き出したのです。つまり形にしたのです。
①ふざけな
②手をくっつける
③右と左をこうごに
④上にふりあげる
⑤からだをまるめる
この5つを目標に掲げ、張り出したそうです。
自己実現への目覚めです。
これを基に彼は黙々と練習を続けました。
ある朝、お布団から起き上がると彼はいきなり目標用紙に次の言葉を付け加えました。
⑥あきらめない
この2日後、彼は合格印をもらったのです。
このエピソードはお母様から連絡帳をいただき分かりました。
考える力。
幼児期の子どもにもしっかりと根付く事の証です。
自分は何がしたいのか。
どうすればそこへ到達できるのか。
その為に何が必要なのか、そしてあきらめない。
決定的な事に気が付きました。
幼児教育には多くの方法や考え方があります。
しかし大人になるための、人として社会で生きていくための最重要課題は
「考える」事です。
{人間は考える葦である}かのパスカルが表す通り、
人には素晴らしい知能が持たされました。
それを生かすも殺すも考える事です。
川面に生える葦のように大きな波には倒されてしまいますが、
波が去るとまた立ち上がり、その分に相応しくその場所で再生するのです。
人は考える事でこの葦(知能)が働き、よりより方向を目指そうとします。
その最初の段階が幼児期の4歳~6歳です。見事に輝いた瞬間でした。
なんと素晴らしい事でしょう。
全ての活動の基礎になる自分の判断、考えを、現わすことが出来ました。
これがながつた幼稚園が目指す教育目標であり幼児教育です。
日々多くの活動をこなし、つまずき、悩み、でも困難に向かって諦めず、頭を使って、達成する!
こんな気持ちをみんなが持って欲しいのです。
東関東大震災から1年。
多くのメディアがあの日を取り上げ、検証しています。
進まぬ復興、動かない自治体、分らない義援金、止まぬ余震。
まだ多くの困難が渦巻いていて、悲しみなんて癒えるはずがありませんが、
一人一人がしっかりと考えれば、きっといい方法が見つかり、
それを目指して動けるはずです。
最後は「あきらめない」。
長い戦い(復興も放射能も、そして人生も)になりますが諦めず、前に進み、そして合格印(安定した日常とささやかな幸せ)を自らの手で勝ち取りましょう。