< 遠い異国で >
イスラム教の教えは日本人には馴染のない物の1つですし、
イスラム圏と括られてもピンとこない地域です。
しかし世界の3大宗教の一つで、信仰している人々は世界中にいるわけです。
私がこの地域の事に触れたのは高校の世界史が初めてでした。
教えて下さった先生が、この地域の事を本に書かれたので、興味を持って話を聞いた記憶があります。
本の題名は「キブツ・戦争・オレンジ」といってそこに住む人々の、普通の生活を綴った著書でした。
キブツは町内会。要は岐阜県の白川郷で言われる、「結」のような地域の結びつきを言い、
戦争は言わずもがな、イスラエルとパレスチナの英々と続く争い。
オレンジはフルーツのオレンジで、本来この地域は温暖で過ごしやすく、オレンジが特産だそうです。
主にイスラエルについて書かれた本ですが、アルジェリアの事件を知って、思い出しました。
遠い異国に仕事に行って、日本人には一番遠い宗教問題や聖戦や、テロリストとの対峙に巻き込まれるなんて、どんなに不安で理不尽な事でしょうか。
出張先の知識は少しは調べて行っても、
実際の日々は思いもしなかった出来ごとの連続でしょう。
今回事件に巻き込まれた「日揮」という会社には少々思い出があります。
もう随分前ですが、青葉区桜台にこの会社の社宅があり(今でもあるのか分かりませんが)、隣り合う「川崎汽船」の社宅のお友達と合わせて、総勢で30人以上がながつた幼稚園に通園していました。
ひとつのバス停で、バスがいっぱいになってしまうほどの大人数でした。
乗り降りするのも大騒ぎだったのです。
名前を思い出す子もいます。
まだ私がクラス担任をしていた頃の話です。
その当時は何をする会社かは詳しく知りませんでしたが、
日本を代表するプラント建設会社で、海外での受注がほとんどだとか。
日本人技術者が海外で、それも戦争をしている国で地道にコツコツと、その国の産業に携わり働いていて、こんな事件に巻き込まれてしまうなんて、自然災害で命を失う人を思うのと同じに、胸が痛みます。
どんなに恐かった事でしょう。
一人でも多くの方々が無事に母国へ帰国して欲しいと願います。
どうしてこの様な事件を起こすのか、到底私には分かりませんが、
他民族国家がひしめき合うアフリカ諸国、そして独裁者が国を支配する中東各地が平和にならない限り、地球の平和は望めないでしょう。
その度に犠牲になるのは普通の人々であり、子どもたち。
そしてそこに生息する多くの生き物たちです。
本当に胸が痛く、人質の人々の事を思わないではいられません。
悲しい週末になりました。