< ホタル鑑賞にもの申す >
そろそろあちこちの清流でホタル鑑賞をする方がいると思いますが、
「ちょっと待った!」
ホタルの気持ちになって見に行っていますか?
大勢で大挙して、ワーワー言いながら歩いていませんか!
ホタルの生息地は多くが田んぼがあったり、土手を歩いたり、湿地や草地です。
踏み歩いて荒らしていませんか?
まずホタルはなぜ光るのでしょう?
オスがメスを呼ぶサインです。このサインは種ごとに違い、光を認識してペアができます。
さあ、多くのペンライトを持った人々が、点けたり消したりしながら夜道を歩くと、どんなことが起こるでしょうか。
長津田周辺でもいくつか生息地が確認され、この時期は賑わっているようですが、
以前はホタルの名勝地として有名だった、青葉区の寺家ふるさと村にはもう1匹も飛ばなくなりました。
なぜ?
ホタルの飛ぶ姿は確かに美しく、幻想的ではありますが、本来生息地は、遠くから一度に大挙して人が入り込む場所ではなく、
彼らにとっては遺されたわずかな聖域なのですから、少し人が我慢して、何にも惑わされず、自由に飛び回れるように、ほんのこの時期、ホタルに繁殖相手を見つけさせて上げてください。
そっとしておいてあげてください。
毎年、毎年同じ状況が続くと、いつの間にかいなくなりますよ。
毎年大勢の人が訪れて、田の畦や土手が荒らされると、農家の人はそこは荒らされないようにコンクリート舗装を考えます。
さてコンクリートで土を固められると、ホタルの幼虫はどこへ行けばいいのでしょう!
時にはテレビやビデオで我慢しましょう。
地元の人が生活道路で行き来する分には全く問題ありませんが、よその人が押しかけることは生き物には相当ハードなストレスなのです。
実際人圧によっていくつもの生息地が失われてきました。
自然環境だけの問題ではないのです。
見るなら遠くから、静かに静かに、ライトは出来るだけ付けず、必要ならせめて赤色灯で。
彼らの動きに合わせてゆっくりと、近所の迷惑にならないように、とにかく静かに見てください。
生き物との付き合い方をよく知って、彼らの領域に謹んで入らせてもらいましょう。
ゲンジボタル