< 今年もありがとうございました >

曜日の巡りもあって、今日で幼稚園活動の2学期が終わりです。

学校と同じ日程になりましたが、多くの幼稚園さんは15日だったり、

20日だったりに終業を迎えたようです。

補助教員の先生方のお子さんが通う幼稚園では、「もう終わっちゃったんです。ながつた幼稚園は長く園があっていいですね!」

と言っていました。

そうです、当園はごくごく真面目に、子どもたちの活動の必要性もバランスも考えて教育日数を決めています。

学校評価では半日保育が増えたことに、

「親の負担でしか無い」と大変辛辣なご意見をいただきました。

親の負担。これは何を意味するでしょうか?

子育ては幼稚園だけがするものでなく、本来は家庭教育、又は保護者の皆様の愛情たっぷりの養育で成り立つものです。

昨今では働き方改革がどの業種でも叫ばれています。

幼稚園業界でも各園様々な取り組みをして就業環境を見直しています。

少子化の嵐をまず最初に受ける私立幼稚園。その上に、そこに従事する先生方の職場環境は優しいものではありません。

憧れと熱意だけに頼って今まで頑張ってきた部分が少なからずありました。

しかし今は、それなりの給与水準と就業環境。

モチベーションを保てる環境とスキルアップの獲得が出来る場が求められます。

そこへ来て家庭力の低下により身辺自立の出来ない子どもたちが多く、箸の持ち方まで幼稚園での指導を求められる状態。

オムツはもちろん、着替えもままならぬ子どもたちを前に、

理想の幼児教育を求めて職に就いても、現場のあり様の違いに心も体も疲れ切ってしまう状態。

年々幼稚園の先生を目指す学生が少なくなり、安定した一般企業へ就職する学生も多いのが現実です。

幼稚園の役割をもう一度思い起こし、社会全体で子どもたちを育てる意識と体制を築く必要があります。

こんな重要な問題が背景にある中、「親の負担でしかない」と切り捨てる心理はどこにあるのかを考えてしまいます。

保護者もまた病んでいるのでしょうか・・・。

親が子を育てることは普遍的な、全動物界の使命であって命の循環です。

どうしたものかと、42年現場にいる私でも「もういいや」と投げ出したくなります。

そんな問題を抱えての年末ですが、大きな事故や事件に巻き込まれることもなく、

子どもたちはひとまず元気で今日の終業式を迎えることが出来ました。

お話を聞く態度も大変上手になり、朝の会では「素晴らしい」と誉めました。

窓際のトットちゃんが再燃していますが、子どもたち一人一人を見つめて援助し、

その事を保護者の方々も理解していただき、同じ意識を共有してこれからも保育活動を進めたいと思います。

今年もありがとうございました。

来年がもっと良い年になるように、そして地球環境がこれ以上酷くならないように願いながら、

年末年始を送りたいと思います。

地球環境の悪化も、ひとえに私たち人間が無責任な行動、生活スタイルを取ってきた結果です。

願っていてもよくならないので、実際の行動に起こしていかねばなりません。

ひとりの百歩では無く、100人の一歩を実行しなければなりません。

来年は立つ(龍)年です。もう一度顔を挙げて、大きく立ち上がって、やるべきことをやっていきましょう。

 

< 55年になりました >

気が付けば創立55年でした。

50周年の記念式典をつい先日行ったような気がしていましたが、

もうそれから5年も経っていました。

今朝園児が折り紙に手書きした誕生カードを届けてくれました。

心に留めてくれた園児がいたんですね。有難い事です。

 

今幼稚園を取り巻く環境は大変厳しく、横浜市幼稚園協会でもその展望を中々見通せないでいます。

自園の在り方もそうですが、今後幼稚園という教育機関が社会の中で今以上に認知され、

幼児期の育ちをどのように制度の中に位置づけていくのか、本当に岐路に立っています。

少子化、無償化、働き方と、幼稚園に通園する子どもの減少と、その環境に従事したい若者の減少、

全身全霊で職務に邁進する20代の先生方の働き方とそれ以外の将来の人生設計。

女性が働く=保育園通園という偏った制度と思考も幼稚園教諭への憧れを半減させている社会。

こんな事を考えていると、創立55年を単純に喜んでも居られません。

培ってきた55年を今後どのように生かし、継続できるのか、大変頭の痛い問題です。

でも、描いてくれたカードにはただただ嬉しく感謝する山眠る初冬です。

 

 

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