< どうなる生物多様性 >
名古屋で開かれていたCOP10は、何とか議定書が採択され、
「絶対にとりまとめは無理だ」とささやかれていた会議が、一応各国の理解を得て、
成果を上げて終了したようです。
この会議にはこのページでも時々取り上げたり、
幼稚園の広報紙にも関連の記事を出しましたので、少しは気にかけて
いただいた方がいらしたでしょうか?
せっかく日本で行っているので、もう少し民間レベルでの動きが欲しかったところです。
現に、新聞記事にもありましたが、今回は生物資源をめぐる問題にそのほとんどの時間が
費やされましたので、それぞれの地域で活動している自然保護団体やNPO/NGO法人の
話があまり出てこず、今ひとつ盛り上がりに欠けました。
生物資源にはどうしてもその利権と金が付きまといます。
はっきり、きっちりルールは作らないといけませんが、具体的な生き物のすみかを
どうするか! という問題ももっと取り上げて欲しかったです。(SATOYAMA対策)
今度この会議に出席した方から話を聞く機会がありますので、実際はどうだったのか
聞いてみたいと思います。
日本政府ももう少し、一般人がこの問題に関心を寄せられるアピールをしてもよかったと思います。
NHKが何度か特集を組んで放送していましたが、各国の現場は本当に自然がどんどん破壊され、
生き物たちが毎日絶滅している状況を、多くの方々は何となくしか分かっていないと思います。
小学生の授業から、生物多様性について体験させ、その保護・保全の考え方を
しみこませなければ、大変な事に成ってしまいます。そんなきっかけに出来る、今年がチャンスでした。
議定書は終始生物資源の取引や利用に関わる内容で、失われていく自然にストップをかけるのは、
『愛知ターゲット』 として掲げられました。
とてもザックリとした内容で、ちょっと疑問符が残ります。
各国の努力目標に頼るところが大きく、保護する陸地や海洋もそれぞれ
17%と10%にとどまりました。
これ以外は開発していい! という事でしょうか!
大丈夫でしょうか?企業がらみ(経済効果=金)からの脱却を各国が
果たさないと、この星は死んでいきます。確実にね。企業が背負う責任は大きいのです。
結局大きな国際会議があっても、私たちの身の回りで起きている
生き物の減少や里山の荒廃は、その地域に暮らしている私たちが
ほんの少し、生き物への思いやりと未来へのつながりを意識する事、そして
出来る事を今すぐに始める事、これしかないとあらためて思いました。
この議定書に実際各国が署名をするのは2011年2月2日から
2012年2月1日までの間、国連本部で受付けるそうです。
署名まで1年も要するなんて、そんな呑気な時間はこの星には残されていないのに、
もう少し緊迫感が欲しいす。金がらみでなく・・・・・・・。