< 衝撃の一言 >

地震の日にはこんなエピソードを用意していました。今となっては思い切り笑えませんが、皆様の気分がちょっと上がるかもしれませんのでお届けします。

これは3月のある日の、職員室内での出来事です。

こんな会話が楽しい年長さんとも18日にお別れをしました。今度は飛びきりのスーパーストーリーを運んでくれる、新年長さんを待つ事にいたしましょう。

『何だか最近職員室には子どもたちがわさわさ集まっています。 

花粉症や風邪で外へ出られない子や、図鑑を見に来る子、などで10人近くがうろうろと寄り添っていますが、

そんな中、一人の年長さんの男の子が、職員室には不思議な扉がある事に気付き、それが何かと質問してきました。

私:「あーこれね!この扉はね秘密の扉。開けるとびっくりするようなことが起きるから、開けないのよ。」

彼:「びっくりするような事って、なに?」

私:「それはね、開けると中から白い煙がモワモワモワと出てくるの、浦島太郎みたいにね!」

彼:「ふーーーーん、だから逸子先生は歳取っちゃったんだ。」

ガーーーーーーーン!

そうきたか。

周りにいた先生方が絶句し、一緒にいた同じクラスの男の子は、「まずい!」 と思ったのか、言った男の子の頭を後ろから押して、

ごめんなさいをしなさいとばかり、頭を下げるように促すのです。

一瞬にして他の子どもたちもサーーーーと引いてしまい、空気が最悪になってしまいました。

私:「そうなのよ。歳、取っちゃったのよ。やっぱり他の先生たちと比べると、歳取ってるってわかる?」と聞いてみました。

さすがに彼もまずい状況を感じたのか、今度は大慌てで、

「ううん、歳取ってないよ。」 とかろうじて答えるのです。

私:「人はみんな歳をとるのよ。」と言うと、彼はまた自分の言葉をフォローするかのように、

彼:「僕は早く歳を取りたい。大人に成りたいんだ。」

こんな事を言いました。

子どもは正直で、そして優しいですね。この後はみんなで大笑いでした。

そろそろ子どもたちのおばあちゃんと同じくらいの年齢に成ってしまったのです。

現実は厳しーーーーーい!

でも毎日子どもたちと若い先生方に囲まれているので、気持ちと見た目は若干同じ年代の方々より、若いつ・も・りです。

とまあこんな衝撃的な一日でした。』

実際の衝撃の一日(3月11日)は、大地震となって日本中、いえ世界中を駆け巡ってしまったのです。

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