< こんな質問がありました。 >

「生き物が大好きです。」とあちこちで言っているので、こんな質問を受けました。

まずはお電話で保護者の方からです。

家族でお出かけした際、オタマジャクシを取ってきて、家で観察しながら育てていたら、

カエルになってしまい(当たり前ですが!)、エサをどうしたらよいか困っている。

と言うご質問です。

まず、カエルは生き餌(動くもの=昆虫、ミミズなど)を食べるので、オタマジャクシの時と違い、

その調達が難しいですね。結局動物の飼育はお家にいるお母さんの仕事になってしまうので、

なおさら悩むところでしょう。

昆虫や爬虫類、海にいる甲殻類を観察のため飼育したら、その後は(飼育に困難をきたしたら)

必ず取ってっきた場所に戻すことが鉄則です。そこまでが生き物を飼ってみる事の終結です。

地域、地域で少しずつ種が違う場合があります。(亜種)

これを混雑しないように、必ず元の場所に戻すことまで考えて、観察してみて下さい。

今回はどうやら「ヒキガエル」のようでしたから、どうしてもだめな時は幼稚園で

引き取ることもお伝えしました。

でもお母様は、家族でよく話し合い頑張ってみるそうです。

この事が、とても大切なんですね。家庭で、特にご両親が生き物と係り必死で育てたり、面倒をみる、そこで生まれる

会話から、子どもは生き物と接する態度や感情を育むんです。

ただただ子どもを自然の中へ放り出しておけばいいわけではありません。

そこには保護者や大人のかかわり方がとても重要な仲立ちとなります。

ですからまず大人が身近な自然に興味を持つこと。そして自然は、はて生き物はどうやって

暮らしているかを知ることです。

私は少しでもその事を伝えたくて、焦って(身近な自然=生態系がどんどん失われていくので)勉強中なのです。

自らもこの事の重要性をほんの6,7年前から知ったのですから・・・。

生き物の成り立ちは、切れる事がなくみな繋がっています。

土の中の小さな生物も、肉食となる捕食者(鳥類・哺乳類)もすべてが係り合って

暮らしている事を、子どもたちに伝えながら、お出かけ先の生き物に接してください。

なぜなら、彼らはそこが生息する場所で、だからそこにいるのですから!

次に、子どもからです。

年長の女の子がこんな事を聞いてきました。

「幼稚園のお山に、ヤマビルはいるの?」

まず、ヤマビルなんて良く知ってるなーーー、と思い、

どうしてそれを知ってるの?と聞いたら、テレビで見たそうです。

一緒に見ていたかわかりませんが、保護者の方が幼稚園のお山には、

いるのだろうかと思ったのでしょうか?

答えの前にヤマビルの解説をいたしましょう。

動物分類学的にいいますと、環形動物(ゴカイ・ミミズ・ヒルなどの一般に細長く体節のある仲間)

の中の、蛭綱(ヒルコウ)、顎蛭目(ガクシツモク)、ヤマビル科となります。

日本各地の淡水や陸にすむ隊長30~150㎜の赤茶色っぽいヤツで、

3個の顎を持ち、90個内外の歯でヒトや哺乳類に傷を付けて吸血する生き物です。(日本動物大百科より)

学名がそもそも、HIRUDINOIDEA ですからその頭文字を取って「ヒル」なんでしょうね!??

でこのヤマビルは、大山や丹沢のあちこちで爆発的に増えていまして、それがテレビで

取り上げられたのか分かりませんが、秦野や伊勢原では困っているそうです。

で、答えは[NO]です。幼稚園のお山にはいません。

なぜ丹沢地区に増えたのかと言いますと、ニホンジカの増加が原因です。

そこら中の山中に食べ物となる草や新芽を求めて移動するうちに、丹沢全域に

広がったようです。今丹沢ではシカ駆除をして、バランスの取れた生態系を戻そうとしています。

このシカの体について、いっぱい血を吸って、ポロリと落ちた地点ですぐ繁殖です。

環形動物たちはその生存を維持するには簡単な方法で、すぐ繁殖できて多くを残せないと存続できませんから、

ニホンジカの増加に比例して、爆発的に増えているようです。

なんと私はそのヤマビルのうじゃうじゃいる丹沢山中を、先日歩いてきました。

別にヒルに会いたくて行ったわけではありません、あしからず!

案の定、私の膝上まで数匹のヤマビルさんたちが忍び寄り、退治する間に

また取りつかれる始末でした。そこでは私たちの気配に気付き、「キョーン」と

甲高い鳴き声を上げ(警戒音)、ドドドと斜面を移動していく数頭のニホンジカも目撃しました。

そしてヒルと闘いながら歩いていると、私は幸運にも今年のお宝1号に上げてもいいほどの、

オスジカの抜け落ちた角を拾ったのです。この春に抜けたようで、傷一つなく、

とてもきれいな右角です。

シカの角は毎年抜け落ちますから、考えてみれば山中のあちこちに落ちているのでしょう。

でも拾う事はそうめったにないはずです。私はよく、鳥の羽を拾い集めているのですが、

この大物は、ヒルの不快さを吹き飛ばしてくれました。

もしご覧になりたい方がいたら、職員室にお越しください。特別展示をいたします。

そんな訳で、哺乳類の移動により生息域を広げるので、幼稚園のお山には今のところ

大型の哺乳類は見られませんので大丈夫です。(野ネコはどうなんだろう?)

ちなみに蛭の退治にはナメクジ同様塩を振りかけるのです。体の水分を取ってしまうと

いう事です。そして丹沢へ出かけた本当の理由は、日本書紀にも出てくる「ヌエ」と呼ばれていた

動物(鳥)の鳴き声を聞きに行ったのです。夜鳴くので1泊してね!

物好きですみません。

この鳥の話はまた今度いたしましょう。

何か生き物の事で不思議や疑問に思う事がありましたら、またお問い合わせください。

私、図鑑を見るのが大好きですから、いろいろと調べたり、経験したことでお答えします。

最近入手したかわいい友達を最後にご紹介しましょう。いつものように、写真の写りが今一つなのは

お許しください。

幼稚園のお山ではまだ見たことがないトンボ2種です。

クロイトトンボ(細いトンボ)とヤマサナエ(ヤンマの仲間)

続きまして、ちょっと引く仲間!これです。

これ何だかわかりますか?細かい毛見たいのが見える、中央に写っている、

なんともムニュムニュそうなやつです。きれいな色して、かわいいですねーーーー!

このかわいい子の親はこれ。

ヤママユガといいます。もちろん蛾です、の幼虫でした。

この蛾はクヌギやコナラの広葉樹に卵を産みますから、お山にも姿を見せてくれるのを

楽しみにしていましょう。トンボも多くの種類が見られるように環境を作らないとね。

Filed under: こども環境管理士,未分類 — itsuko 16:09