< 雪雲と共に >
数年に一度という冬の台風、発達低気圧。
本州中央部にそびえ立つ南北アルプスの尾根を越えて関東平野にもその影響がやってきました。
風が冷たく強く、これではサンタが乗ったトナカイのそりも上手く目的地には着けないでしょう。
と思ったら今日は運良くながつた幼稚園には妙なサンタが煙突からやってきてくれました。
詳しくは幼稚園日記をご覧下さい。
プレゼントはたくさん置いていってくれましたが、どうやらその行動が「N先生に似ている!」と年長さんの間では噂になったようです。
そんな不思議なサンタが一緒に連れてきたのか、鉛色をした途切れとぎれの雪雲が流れてきました。
日本海側は大雪となり既に積もった雪と共に、生活にも支障を来たしていることでしょう。
いくら雪国の人たちが慣れているとはいえ、この吹雪は心配です。
同時にハクチョウやカモたちにも危険な冬となっています。
この低気圧で本来の越冬地が大雪で覆われ、食べ物(水草や落穂)がありません。
よって大規模な数で南下してくる予想が出ています。
さて神奈川県に下ってきたら、私たちには何ができるでしょうか?
そもそも越冬できる田畑や水辺はあるのでしょうか?
食べ物だって確保できるのでしょうか?
私の所属する自然保護団体は本部が一時的な救護措置として給餌を提案していますが、
我が神奈川支部は見送るといいます。
なぜ(?_?)、緊急事態なのに?
野鳥は自然環境の変化によってその生息数も淘汰され、本来食物を人から与えられるものでは無いと言います。
もちろんその通りです。それだけ気高く、厳しい世界で生きていることはわかっています。
人がやたらに餌付けしていいわけがありませんし、鳥たちが多く集まることで生じる病気も心配です。
全部理解しています。しかし、
今年は見送り、この状態の後、結果野鳥たちがどうなったかを後世に残すといいます。
残してどうするの?後世の人たちがまた見送ったら、いつ野鳥を助けるの???
組織としての力を今発揮しなくて、いつ発揮するのでしょう!
(ちょっと昔のフレーズですが^^;)
いつも何か三旗を振れる活動はないか探しているくせに、いざとなったら見送るの???
個人一人が南下してきた多くの野鳥の世話なんて出来るわけないです。
2、000人近くの会員が一緒になって情報を共有し、子どもたちも巻き込んで自分たちの生活圏にやってきた野生動物の生態を知り、保護すべき時がこの大雪の緊急時なんではないですか!!!
今が組織力を生かす時ではないでしょうか。
見送るのは一般の多くの人がそうしますよ。
組織の人間として代表者の判断には従いますが、それが本当に自分の信念や意思に沿ったものでない時、自分はどう行動すべきか悩むところです。
具体的に多くの冬鳥が南下してきた情報は今のところ無いのですが、鳥を保護する団体にいる人間が、こういう時に何らかの策を練らなくてもいいものか、執行部の一人として疑問です。
ハクチョウたちのことが気になって仕事になりません。
実際にここ数年で県下に飛来しているハクチョウを知っていますし、自分の目で一昨年の夕暮れ、10羽前後が長津田上空を飛ぶ姿を見ているのです。
朝から悶々としながらクリスマス会の楽しさを味わえないまま、変なサンタに再び凹み、でも子どもたちの帰り際の嬉しそうな顔に癒され、窓際の机から一人雪雲を見つめる午後なのです。