昨晩は本当にもの凄い雨でしたね。
恩田川があと数時間で氾濫する所でした。
先ほどお山や池が心配で見に行きましたが、前日にゴミを拾っておいたので排水が機能し、溢れること無く無事でした。
オタマジャクシも元気そうです。
お山の中は雨の流れた後で落ち葉が山のようになっていましたが、倒木も無く、こちらも無事でした。
良かった、良かった。
そして冬越しをさせていた蝶の幼虫を覗いてみたら、
なんと動き出していました。
オオムラサキ1頭と、ゴマダラチョウ2頭。
ゴマダラチョウは3頭いたのですが、1頭は行方不明になっていたのです。
私としても初めての冬越しで、死んじゃったらどうしようと・・・・・、と心配でした。
あんな小さな体で、よく命が保たれているものです。
実に神秘としか言いようのない、不思議な命です。
早速新芽を吹き出したエノキの幼木に移した所、比較的大きな1頭はすぐに若葉を食べ始めました。
残る2頭もこれからだんだんと活発に動き出すでしょう。
何とか蝶になるまで、生き延びて欲しいです。
これからは子どもたちにも見てもらえます。
どちらも素晴らしい蝶ですから楽しみにいたしましょう。
そして今日のこの風。
もういい加減に治まって欲しいですが、これから寒冷前線も通るようですから、まだまだ天候が荒れるかもしれません。
今は渡り鳥たちの異動の時期。
彼らはこの風をうまく利用して北へ、南へ渡りをしますが、今日のような暴風雨は命取りです。
こんな日はよく海鳥が内陸まで運ばれて、瀕死の状態で見つかる事があります。
昨日はシロハラが私のすぐ近くで格別な美声を聞かせてくれました。
「逸子さん、さようなら。僕は北へ帰ります。冬の間ありがとう。
また今年の冬に戻って来ますよ。それまでお別れです。
逸子さんも元気でいて下さい。
キュロンキュロン、ツリリーーー、キュロンキュロンツウィー」
シロハラは繁殖地へ帰る前にさえずる事は知られていますが、なかなか姿を目撃出来ず、実際に鳴いている様子とその声を聞く事は難しい鳥です。
でも昨日は私との距離は2メートル。
ほぼ目線の横枝で、素晴らしい声を聞かせてくれました。
きっとこの風に乗って、北へ帰って行ったのでしょう。
本当に私にお別れを言ってくれたように感じました。
生命の神秘です。鳥たちと通じる事が出来る気がして来ました。
そして細い杉の木に巣を構えたハシボソカラス。
もう卵を抱いていますが、必死でお母さんがこの風から卵を守ります。
時々お父さんがお母さんにエサを運んで来ます。
口移しでエサをもらうと、フンをしに巣を離れます。
その時が最大のピンチ。
小枝を重ね合わせた巣はこの風で大きく左右へ振られています。
いつ巣が吹き飛ばされてもおかしくない状況。
カラスが好きな人はあまりいないかもしれませんが、
彼らもれっきとした野鳥で、毎日自然の脅威と戦っています。
早くこの風が止んで欲しい。どうかお母さん、絶えて下さい。
かわいい七つの子が巣立つのを、見守りたいのです。
お父さんも必死です。お母さんの周りを心配そうに飛び回り、時々ガーガーと励まします。
カラスの子育ては卵を抱くのはメスだけ。
子が産まれると、両方でエサを与えますが、巣を温めるのはメスだけです。
オスはこれからも防御が専門。
時には巣に近づく同じカラスや、ヒナを狙うタカと対決します。
命の神秘はどんな天候でも、どんな環境でも脈々と続いて行くのです。
みんなガンバレ!生きろ、命をつなげ!
ゴマダラチョウも、旅立ったシロハラも、卵を守るハシボソカラスも。
みんな生きて欲しい。
明日は入園式ですから、風も治まり、穏やかな日に成りますように。
人は祈る事しか出来ません。