夏休みが終わって1週間。子どもたちの生活リズムも幼稚園仕様になってきたでしょうか?
「背中のスイッチをパチン!と入れて、今日から幼稚園ですーーーよ」と声を掛けましたが、
天候不順もあって体調が思わしくなく、熱を出す子も見られます。
この週末はよく休息を取りましょう。ストレス無く(お父さんも、お母さんも)過ごしましょう。
ストレスはどの人にも大敵で、どんな生きものにもプラスはありません。
まあ進化とは、大きなストレスから立ち向かう方法でなされてきたと言えますが^^;
そんな中、夏休みに捕まえた(見つけた)ノコギリクワガタを持ってきた子がいました。
普段からおとなしく無口なその子が一生懸命虫の説明をし、幼稚園で飼って欲しいと言いました。
まずその事を自分の言葉でしっかり言ったことは大きな成果でしょう。クワガタ虫の成せる技です。嬉しく感じていました。
持ってきた時から元気がなく、ケースから出してみんなに見せること(ストレスを与える事)もせず、
様子を見ていましたが、昨日とうとう命尽きてしまいました。
新しいゼリーにも反応することなく、静かに終えたようです。
クヌギマットを敷いた小さなケースに埋葬し、持ってきた飼育ケースを洗い、本日お手紙を添えて持って返しました。
この状況を伝えたら、彼は涙を流したのです。
日常の活動は淡々とこなし、大きな声で泣いたり笑ったりの表現をしない子が、
じっと私の話を聞き、目頭を押さえました。
感じる心を大切にしたい。
この時彼は初めて自分から行動したその結末を聞き、生きものの死を身近な存在として感じたのでしょう。
命が尽きたことを悲しいと感じる心はいつ、どんな場面で育つかは人それぞれですが、
こんな小さな命でも、その子の胸には大きな存在として残りました。
次にクワガタを見つけた時に彼はどうするでしょうか。
今度は自分で大切に大切に飼ってみるのか、捕まえることをせずその場で見て終えるのか。
どちらにしても命があることをしっかりと記憶に刻んだはずです。
この積み重ねが心を育てるのです。
気がつかないうちに人や生きものへの優しやと尊さを身につけるのです。
何かが自分の身に起きた時、しっかりとその時の感情を抱かせるのが自然体験であり、生きものとの出会いです。
地道な作業ですが、子どもたちには大人になるまでに一つでも多くこのような実体験を重ねられるようにすること。
これが私の目指す幼児教育であり、環境教育です。